導入すべきBIツールの比較要件よりも大事なこと

企業だったらデジタルに限らず何かしらの指標をBIツールなのか、エクセルなのか、ERPのダッシュボード機能なのかでウォッチしていることかと思います。

今回はBIツールの選定についてポイントになりそうなところを解説します。

各BIツール間の大きな機能的な差はほぼ皆無

まずはBIツールのトレンドですが、日本で今有料BIでシェアが大きいのはTableau、PowerBI、グーグルデータポータルあたりが多い気がしてる。(ここは完全に経験則)

次点でDOMOやQlik、その後をLooker、Sisenseの第3世代BIが追うような感じ。(第3世代とか第2世代とかの詳細は別のエントリーで。簡単に触れると〜第2世代はセルフBI、第3世代はデータガバナンスを重要視)

しかしながら、市場が成熟していることもありツール間の機能差はよほど特殊な使い方をするか大きな組織かでないと気になるものではないと思う。

以下はG2crowdのBIツール評価のページ。だいたい4.0~の評点になっている。ちなみに日本版の同じようなサイトでITトレンドのサイトもあるがB-dashがBIツールのランキングに入っていたりまるで参考にならない。

Best Business Intelligence Software
https://www.g2.com/categories/business-intelligence

BIツールにおけるビジネス、機能、非機能要件

要件については以下のように整理をした。

  • ビジネス要件
    • 導入の目的
      • そもそもBIツールを導入する目的・解決する課題
    • コスト(イニシャル・ランニング)
      • ライセンス以外に外注に保守を頼む際の外注費などもランニングコストになる
    • 使いやすさ・ユーザビリティ
      • ユーザー視点で操作がわかりやすいかどうか
  • 機能要件(フロント)
    • 収集・連携
      • 外部連携API、データ種類、容量
    • 加工・蓄積
      • 加工方法集計関数、SQLの豊富
    • 可視化・分析
      • グラフ、テンプレートの種類、関数、インタラクション
    • 共有・本番化
      • 対応のユーザー端末、共有形式、共有方法の多様さ、承認フロー、アカウント権限管理、操作ログ取得、アクセス制限など
  • 非機能要件(バック)
    • 可用性
      • ツールが継続的に利用可能となるための要件(稼働率、冗長性など
    • 拡張性
      • 将来の開発や進展に関する要件(サービス・システムアップデートの期待値)
    • 運用・保守性
      • 運用と保守に関する要件(更新のしやすさ、ベンダー、サポート、コミュニティ、一般的なナレッジ情報の豊富さ)
    • 移行・汎用性
      • ツールの移行に対する要件(新しいツールへの移行期間、方法、移行量など
    • セキュリティ
      • ツールの安全性の確保に対する要件

ポイントとしては機能要件、非機能要件はビジネス要件を解決するための手段にすぎず、一番大事なのは導入の目的を達成できるのかどうか。という点。

その上で差が付きやすいのはユーザビリティ・使いやすさ、収集・連携、共有・本番化、一般的なナレッジ情報、あたりだと思う。非機能要件の部分は特殊な要求がない限りクラウドサービスならほぼほぼクリアするだろう。

となると利用者(ユーザー)が関わる部分のユーザビリティ、共有・本番化、ナレッジ情報あたりの観点で優劣が付くことがほとんどだと思う。機能的な必要要件では差が付かない。(よほど高度な要求は出てこない)

唯一BIツールにデータ収集・連携機能も求めるのかは大きく分かれるところである。例えば、DOMOはデータの蓄積をほぼ無限に出来るが、LookerはBigQueryなどのDWHの利用を前提としており、そもそも製品の思想が異なる。(BIツールの定義から見直した議論が必要かもしれない)

データ文化の定着について

クライアントの複数部門にヒアリングを実施すると決まって

  • 現状うまく使えていないから課題がわからない
  • あまり不満はない(使いこなせていない)
  • 活用しているユーザーが限られている(リテラシーの無い人は使えない)

という声がどの部門からも聞かれた。

デジタル系のスタートアップじゃない限り、どこの会社も同じような声が聞かれるはず。

ここでのポイントは活用しているユーザーが限られていること自体は悪くないことである。

もちろん使えるに越したことはないんだけど、その状態になるには相当なリソースを割く必要があるため現実的ではない。

それよりも、以下のような3つの階層にロールを分けてそれぞれの状態に持っていく事ができればいいのではと思う。

  • データサイエンティスト
    • アドホック分析など高度な分析を行う、ビジネスユーザーのQ&A対応
  • ビジネスユーザー
    • 定点レポートを作れる、作りたいレポートを言語化できる。(データサイエンティストに説明できる)
  • ビューワー
    • 定点レポートを見る習慣をつける、レポートの見方を理解する

ほとんどのユーザーはビューワーレベルで問題ないケースがほとんどじゃないかな。(全員がゴリゴリTableauでグラフ作成して〜というのが必要な場面はない)

ではどのように定着させるか?

導入したシステムやツールが使われずに形骸化するケースはあるあるっちゃあるあるである。(あるが多い)

個人的に形骸化しないためには

  • ユーザーがツールを使わざるを得ない業務プロセスにしてしまう。
  • ユーザーがツールを使うことによるメリットを享受できる。(成功体験)
  • アクションに対するフィードバックがある。

がポイントであると考える。

定着・習慣化しないことの代表例としてダイエットや英語学習があるが、これも英語学習の例だと

  • 普段の生活で英語を使う必要がない。
  • 普段使わないため英語を使っても、特にメリットがない。(そもそも使う場面が無い)
  • 使ってもどこまで出来ているのか誰かがフィードバックしてくれるわけじゃないからよくわからん。(逆に「お前の英語いいね!」とか言われるとちょっとモチベーション上がる)

という感じでほとんど続かない。永遠の課題となる。

この辺りはBIツールでも英語学習でも人間が主語になる点では変わらないと考える。

どれを選ぶかではなくどのようになりたいか

話が逸れたが、BIツール選定の観点はこのようなものだった。

企業上層部視点で一言でまとめると

どのツールを使うかはどうでも良くて、「どのようになるためにどのように使わせるか」の問に答える。

です。

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