【書評】ストーリーとしての競争戦略の感想

ストーリーとしての競争戦略

前々から買って積ん読になっておりました「ストーリーとしての競争戦略」をようやく読み終えました。なかなかのボリュームでしたが、人気があるだけありまっせ。

戦略ってなんだ?

まずは本のタイトルが「ストーリーとしての競争戦略」なんですが、そもそも戦略ってなんだという話です。

普通に使っている言葉ですが意外と説明できないです。本書によると「違いを作ってつなげる」ことが戦略の本質。

違いは競合他社との差別化、違いがなければ完全競争となり余剰利潤はゼロになる。つながりは二つ以上の構成要素間の因果論理を意味しています。個別の違いをバラバラに打ち出すだけでは戦略にならず、それらをつながり、組み合わさり、相互に作用することで長期的な利益が実現されるということです。

そして、つながりを持たせるために必要となるのが生き生きとしたストーリーということです。

違いを作るSPとOCと松井秀喜

競合他社との差別化を図る上で考え方は二つ。SP(Strategic Positioning)ポジショニングとOC(Organizational Capability)組織能力です。

要は中身で差別化するのか外的環境で差別化するのか。

本の中では野球で例えられていて、松井秀喜がスポーツ選手としての戦略はSP的に考えるとメジャーリーグに行ったとか巨人に所属していたなども考えられるのですが、そもそも第一歩としては「野球というスポーツを選んでプロになったこと」が重要な戦略です。

バレーボールやフェンシングなど他のスポーツのプロ選手はプロでも野球選手ほど稼いではいません。一流選手でもプロ野球の二軍クラスの収入の人も多いのではないかと。

なのでそもそも野球というポジショニングを選択し、そこに集中したことがまず戦略。

企業のポジショニングでも同じ。利益が出しやすい、戦いやすいポジショニングを取ることが大事です。

また、松井選手の能力自体ももちろん成功への要因です。バットコントロールや足の速さ、ホームランを量産するパワーなどなど

企業でも生産能力や組織文化、コスト体制、組織に根付くやり方、情報など内部的に強化できる部分も競合他社と差別化ポイントです。ここに注目するのがOCの戦略。

また、OCの戦略は組織自体の能力なので構築するのに時間がかかりますが、他社に真似をされづらい、真似しようと思っても出来ないという特徴があります。独自の強みです。

クリティカルコアとコンセプト

企業の長期的な利益を創出するための重要な要素は人件費や生産体制、顧客対応まで多岐に渡りますが、そのつながりがある数ある要素の中でも多くの要素に影響を与える要素をクリティカルコアと本書では呼んでいます。

例えば、サウスウエスト航空航空では「ポイントトゥーポイント路線」というハブ方式を使わない就航方法がクリティカルコアになっています。これは通常の航空会社が採用している大都市のハブ空港を使わないことで、コストカットやオペレーションの効率化、現場での裁量に基づく意思決定と様々な要素に影響を与え、競争優位をもたらしています。

スタバでいうと直営方式という要素がクリティカルコア。第三の場所というコンセプトに対して、店舗の雰囲気や、出店と立地、スタッフ、メニューを第三の場所にするためにはフランチャイズでは難しく直営方式を取る必要があるということです。

フランチャイズでは回転率をあげるためにお客さんを追い出してしまうような接客が行われる可能性があるし、スラッフの教育も直営方式でないと難しいでしょう。細かいコントロールも出来ない。

要はコンセプトを構成する要素の土台となる一貫した基盤がクリティカルコアです。

そしてコンセプトは「本当のところ、誰に何を売っているのか」を考える必要があり、「どのように」という方法論に傾いてしまうとコンセプト不全が起こってしまう。

「誰に何を提供するのか?そしてそれはなぜか?」を考え突き詰めてから「ではどのように?」とWhat→howという思考でコンセプトは考えなければビジネスは失敗作で終わります。

一見合理的と思われる要素はみんなやるし、もうやられてる

また、クリティカルコアは「一見して非合理である」というポイントを満たす必要があります。スタバの直営方式しかり、サウスウエスト航空のポイントトゥーポイント路線しかりです。

理由としては、一見して非合理な要素を組み込むことによりそもそも競合他社が真似をしない、真似をしようとも思わない状態になります。

非合理な要素であることで、戦略で重要な「違いを作る」ことが出来ます。

普通の人々の本性に向き合う

コンセプトを作る際に大事なこととして「誰をどのように喜ばせるのか」「誰に嫌われるのか」という視点が大切。

突拍子も無いコンセプトではなく、あくまでターゲットは大多数の普通の人々なのだから普通の人々が何を考え、何を感じ、どのようなことに困り、何を欲しているのか、を自然とわかることが大事です、

Twitterはコミュニケーションの革命だ!と大げさに話をする人もいますが、本質的には「日常生活の中で知り合いと繋がっていたい」という本質的かつ素朴な欲求を満たしたものであり、だからこそ急速に受け入れられたのです。

最高のコンセプトは「言われたら確実にそそられるけど、言われるまで誰も気づいていない」ことです。ただ、これを想像するのが難しい。。。

 

以上、とりとめのないまとめになりましたが、何回か読み直すことになると思います。筆者の癖かもしれませんが冗長な表現が多い気がしました。前半部分は概念的な説明が多いので少々退屈ですが後半は、具体的な事例も出てくるので面白くなっていきます。

マーケティングとか戦略が好きな人は好きだと思います、が長いので覚悟が必要です。笑

 

 

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